夢ねこ★不思議缶

夢ねこ★ 空想・妄想の缶詰は。。。いかが?

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【さるの わくせい★ぷらねっと#3】



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【さるの わくせい★ぷらねっと#3】


『はああぁぁ~~~。。。』

ものすごく大きな溜め息が マシンの音だけが微かに響く そのラボラトリーの空気を揺るがした。


『プロフェッサー 如何されました?』

研究員の一人が 溜め息をついた男の顔を心配そうに覗き込むようにして近づいて来た。


『駄目だ。。もう駄目だ!!

失敗だ。このプロジェクトは終わりにしよう。』

プロフェッサーと呼ばれた初老の男は ラボラトリーの中央に大きく映し出された立体画像を見ながら 肩を落として呟いた。


『えぇぇー?! 正気ですか ?プロフェッサー!!

ここまで来るのに いったいどれくらいの時間と手間がかかっているか 勿論ご存知ですよね?』

『当たり前だ!!そもそもこのプロジェクトの発案者は この私だ。

若い頃。。。
まだ私が 若い駆け出しの研究員だった頃にアイデアを出し いろんな紆余曲折を経て
ようやく委員会に承認されて 長い長い時をかけてここまできたんだ。

。。まさに 私の夢をカタチにするプロジェクトだった。

しかしながら。。まさかこんな結果になるとは。』

そう言いながら 男は画像の一部分を指差した。

『特にここ。。
このイーストサイドのポイントを見たまえ。

君にだって判るだろう?
目を覆うばかりの酷さだ。
このままの状態では 自ずから滅びの道を歩むしかないだろう。

いったい何処でプログラミングを間違えたのか?

成功する絶対の自信があったのに こんな結果は私の想定外のものだ。
夢のユートピアとは程遠い。。
例えて言うなら 真の実体がそこに無い。。まるで幽界かゾンビのような世界のできあがりじゃないか?

私の望んだ世界は こんな世界じゃないっ!!』

悲痛な声をあげて 男は両手で顔を覆った。
研究員はかける言葉も失って 目の前に映し出されている画像を見た。


『ええっと。。。この星系の時間軸で言うと。。
約1500万年前に新たなプロジェクト推進の許可が下りて 我々は猿の遺伝子に干渉した。
遺伝子のDNAに塩基を挿入し 染色体の構造に特定の変化を持たせ 進化の発展を促した。

途中までは順調にいっていたはずだ。

想定どおりに 猿からホモ・サピエンスへのシフトアップは約25万年前。

。。この前。。と言ってもこの星系の時間軸だとかなりの昔になるが。。。
その時点でのチェックでは それなりに調和のとれた世界だったはずだ。

何処だ?どこで間違った?

赤・青・黄・白・黒。。。5種類の人種パターンを用意した。

経験から学ばせようと。。Six Senseの能力を一部残して 概ね封印したせいか?

プラスとマイナスが 拮抗する世界。

混沌の中からのBreakthrough。

宗教の出現。

武器の発明。

貨幣経済へのシフト。

天災。。疾病。。。パンデミック。。

。。どこだ?

Solutionは?』


彼はコンピューターに向かうと 慌ただしくキィを叩き出した。

ただならぬ彼の様子に 他の研究員達の間にさざ波のように動揺が走り。。
それまで静かでゆったりと落ち着いていたその部屋は にわかに緊張感に包まれ騒がしくなった。




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さる さる さる 

猿よ猿

【見ざる・聴かざる・言わざる・せざる】

それが この世に生きる術(すべ)

何時から おまえは 覚えたか?

誰が おまえに 教えたか?


さる さる さる

猿よ猿

それでは おまえに尋ねよう


『そらそら 見ざる

おまえは ちゃんと見ておるか?

おまえとおまえの子供の未来

何故に 見て見ぬ 知らぬふり?』


《見てます 見てます ワタシの今を

然しながら 

明日のことなど 見えはせぬ

未来のことなど 知りはせぬ》


『やれやれ 聴かざる

おまえはどうじゃ?

聴こえる音色は いろいろあれど

耳に優しき 音ばかりでない

辛き音も 聴かざるをえまい』


《聴いてみても せん無きことよ

右から左に 流すだけ

まこと この世は理不尽無尽

耳を貸すほど 疲れが溜まる》



『これこれ 言わざる

おまえは何故に 言わぬのだ?

心の想い

口にせねば 伝わるまい』


《言ってますとも 当たりも触りも無きことを

言葉にすれば 角が立つ

角が立つのは 懲り懲りじゃ》


『なんとも なんとも せざるはどうじゃ?

おまえの日々の振る舞いが おまえの世界を創るのじゃ』


《己ひとりが 動いたところで

なんとも小さな力に過ぎず

だったら このまませぬままに

その日 その日を楽しく生きる》


みざる

きかざる

いわざる

せざる

何の為に 生まれてきたのか

やれやれ なんとも 哀しきことよ

やれやれ なんとも 淋しきことよ

その目で

その耳で

見たこと 聴いたこと

その口で あらわさねば なんとしょう

その身で あらわさねば なんとしょう


心の目は 開いておるか

心の声は 聴こえておるか

口から出ずる その言葉は

己が身の 振る舞いは

おまえの心 そのままか?

心ここにあらざれば 己が周りの世界も知らず


さる さる さる

猿よ猿


【目の前の危険から 眼をそらし

危機が迫っていることも 伝えず

周りの忠告にも 耳貸さず

他人の幸せのためには 動かず

己の保身のみに 拘泥する】

さる サル 猿

去れよ 去れ


みざる

きかざる

いわざる

せざる

おまえの【心・芯・真・神】は何処にある?

【しん】ここにあらざれば 己が周りの世界も変わらず





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画像を食い入るように見つめながら 男が言った。

『リセットだ。このプロジェクトは終了させよう。
このままでは やがてこの星系全体に影響が及ぶ。そうなってからでは遅過ぎる。』

『おい君たち !!プロジェクト終了のガイドラインを準備してくれ!!』

そう叫ぶ男の声に 夢中でプログラミングの確認作業をしていた研究員は はっと我に返って 慌てて席を立ち上がった。
 

『お待ちください!!プロフェッサー。もう少し時間をください。』


『いや。。無理だろう。限界だ。
君は ことのほか熱心にこのプロジェクトに取り組んでくれたね。

ありがとう。。。礼を言うよ。

だが。。もう潮時だ。
これを終了させて できるだけ早く新たなプロジェクトを立ち上げるつもりだ。』


『プロフェッサー。お願いです。もうしばらく時間をください。必ずSolutionを見つけてみせます。』

『だが。。しかし。。』

男は言葉に詰まった。

研究員は続けた。

『プロジェクト終了となると。。またあのプラネット#5のような悲劇が起きるとも限りません。

あの時は委員会が我々のアドバイスを無視して 強制的に破壊的な終了作業をおこなったので。。
あの星は 悲劇的な最期を迎え 粉々に砕け散ってしまいました。』


そう言って彼は ラボラトリーのスクリーン上に映し出されている プラネット#4と呼ばれている赤く輝く星と その向こうにある縞模様の星の間に漂う アステロイドベルトと呼ばれる無数の星屑の領域に目をやった。

重苦しい沈黙が 部屋の中を一瞬支配した。


『ねぇ。。ちょっと見て!!』

まだ研究員になりたての赤毛の女の子が 興奮した様子で声を上げた。

『イーストサイドのこのポイントと。。こっちのポイント。微かに変化が顕れているみたいな気がするんだけど。』

『おいっ!!座標系は何処だ?』

部屋の中にざわめきが起こり。。研究員達は慌てて彼女の指し示すポイントにそれぞれアクセスした。

『本当だ!! すごく弱いけど。。。今までにはないムーブメントが起こりつつある!!』

『あ。。!!僕も見つけた!!すごく小さいけど。。。ノースサイドにもひとつ。!!ウエストサイドにも!!』

『距離的には すごく離れてる場所なのに。。みんな同じバイブレーションを発している。』

『おい!!このバイブレーションはすごいエネルギーを秘めているぞ!!』


『プロフェッサー!!』

『プロフェッサー!!』

部屋のあちこちから声があがり。。
男は信じられないような目つきで 目の前の画像に次々に映し出されるそれぞれのポイントを眺めた。


『本当なのか?本当に信じていいのか?

。。まだ。。この星にも救いがあるというのか?』


『まだまだ 小さなムーブメントです。

然しながら。。

真の意味で

その真心で

見て・聴いて・言葉にして・行動に移すものたちが。。。確実に この星系に広がりつつあります。』


男は 何度も何度も目をこすって
その星のあちこちに微かに光り輝きだした 小さな金色の点を見つめた。


『猿よ。。。猿。。まだお前たちを信じてもいいのか? この私に もう一度夢を見させてくれるのか?』

『信じましょう。プロフェッサー。

いつか。。必ず。。
時間はかかりますが
プロフェッサーの想い描いていた星に きっと変わります。

この星の未来を生きる者たちに 私たちの夢と希望を託しましょう!!』

男を取り巻く研究員達の顔が 笑顔になった。


『希望か。。いい言葉だ。

若い頃は 【夢】や【希望】を信じていたのに。。
いつの間にか それを想い描けないほど。。信じられないほど
この姿かたちだけでなく 心まで老いてしまっていたのか?


ありがとう。

君たちのおかげで
忘れていた大切なことを 思い出させてもらったよ。』


暗い宇宙の海に ぽつんと青く輝くその星を まるで我が子を見守るようなまなざしで見つめながら。。。

『ありがとう。。。』

そう呟いた初老の男の頬に つぅーっと光るものが流れた。



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この記事のコメント

猫ちゃんお久しぶりです♪この物語、夢中で読んでしまいました。。。はじめに・・すごーーーーぃ!!こんな物語を書けるなんて!ますます尊敬しますにゃんころりん!!v-10そして。。内容の奥の深さにまた感動・・・。まだ完璧に理解できてないけど、とても大切なメッセージが込められていると思いますv-22なんども読み直して、そこのところを探してみたいと思いました♪続きがありそうで・・・楽しみです!
2016-05-11 Wed 11:00 | URL | ぽぷり #-[ 内容変更]
> 猫ちゃんお久しぶりです♪

は~い♪

ぽぴちゃん お久しぶりです!! こんにちは~♪^^

夢ねこ。。バタバタしている日がちょっと続いていて。。

なかなかぽぴちゃんのお部屋に遊びに行けなくて 失礼しちゃってます。

ごめんなさ~い。^^;ゞ


新学期が始まって。。約一ヶ月が過ぎ

ようやくそちらも少し落ち着いてきたところでしょうか?

確かに時間は増えたはずなのに。。なんだか物足りないような。。

そんなぽぴちゃんの心模様を想像しちゃってる夢ねこです。


この物語、夢中で読んでしまいました。。。はじめに・・すごーーーーぃ!!こんな物語を書けるなんて!ますます尊敬しますにゃんころりん!!v-10そして。。内容の奥の深さにまた感動・・・。まだ完璧に理解できてないけど、とても大切なメッセージが込められていると思いますv-22なんども読み直して、そこのところを探してみたいと思いました♪続きがありそうで・・・楽しみです!

お楽しみいただけたようで幸いです♪^^

4月のブログ記事をどんなものにしようかなぁ~。。って思っていた時に熊本を中心とするあの大地震。

ちょうど息子のPeke君が九州地方を旅行する予定もあり。。その後はネットに釘付け状態の毎日で 情報を読むのが精一杯で。。

今月はブログをUPするのをやめようかと一時は考えていました。

まだまだ余震が続く中での避難生活は想像を絶するものがあると思います。

今回の地震で亡くなられた方々 被災された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。


この地震が引き金になったのか。。

それに続く中央構造線上での各地での地震や阿蘇山の火山活動の活発化。

日本の南の九州の端から始まって。。まるで今まで眠っていたものが目覚めたような印象を受けました。


で。。阿蘇山といえば【幣立神宮】の五色神面。

いつか絶対にまた九州を訪れて。。弊立神宮に参拝したいと夢ねこは思っているのですが。。

そこからイメージが膨らんで 今回の物語ができました。

ところで。。日本各地で大きな災害があるたびに感じるのですが。。

あまりにも政府の危機管理能力がお粗末過ぎる!!

被災した現場の声が上に届かないで 情報は錯綜し 全て後手後手に回っているような印象を受けます。

この国のトップの人達の振る舞いを見ていると。。どうやら人の命よりも大切なものがあるらしい?!

だから書いている途中で その不満や怒りが出てしまったのか?。。UPした後で読み返してみると

なんともまとまりのないお話になってしまったような気がします。^^;

そんな味付け中途半端な夢ねこ缶をちゃんと残さず召し上がってくださって。。

ぽぴちゃんに感謝~~♪^▽^

いつもありがとうございます♪v-238
2016-05-12 Thu 10:45 | URL | 夢ねこ★ #-[ 内容変更]
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