夢ねこ★不思議缶

夢ねこ★ 空想・妄想の缶詰は。。。いかが?

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【お掃除おばちゃん】






【お掃除おばちゃん】


がちゃ!!

ぎぎぎぎぃーーー

鍵を開けて 軋む重いドアの向こうにあるその部屋は

足の踏み場も無いほど 散らかり放題に散らかっていた。


『あららら〜〜!?

なんとまぁ。。

こんなに散らかしてーー!!

なんでこんなに 何でもかんでも取っておくのかね?

しかしまぁ。。こりゃ 片付けがいがあるというものさね。』


ぐるっと部屋の中を見渡した彼女は 白い割烹着を羽織ると



てきぱき てきぱき〜♪

お掃除 おそうじ〜〜♪

ぴかぴか ぴかぴか♪

ぴっかぴっか〜〜♪

お掃除 おそうじ 楽しいな〜♪


鼻歌を歌いながら 掃除を始めた。


『あらあら これは何かしら?

どっさり山積みになって 埃を被ってる。

おやおや。。。

別れた彼氏との 想い出の品かぁ〜。』


ぽいぽい ぽいぽい♪

ぽぽいの ぽいっ♪

みーんな みんな

まとめて ぽいっ♪

いらない いらない♪

みーんな ぽいっ♪


ほらほら ほらほら

でてくる でてくる

まよい

こだわり

こうかい

おもいこみ


いろんな 記憶

いろんな 想い

持ってるだけで 重くなる


この子は なんとまぁ。。気遣いばかり。

頑張りやなのは いいけれど

あっちに 気遣い

こっちに 気遣い


優しい子ほど

お掃除下手で

真面目な子ほど

不器用で

いろんなものを 溜め込んで

お部屋の中は 散らかり放題


捨てましょ すてましょ♪

綺麗にしましょ♪

磨いて みがいて♪

きゅっきゅっきゅっ♪

ぴかぴか ぴかぴか♪

ぴっかぴかーー♪



見る見るうちに

散らかり放題だった その部屋は

すっきり整って

まるで別の部屋のよう。


『あーーーっ♪

気持ちいい!!

いい汗かかせてもらったゎ♪』


掃除の終わった部屋を ぐるりと見回して

自分の仕事ぶりに満足したかのように にっこり笑った彼女は

着ていた割烹着を きちんとたたんでバッグにしまい

『よっこらしょ〜!!』

と 掛け声をかけながら。。

重く軋むドアを ぎぎぎぃーーー。。と開け

ばたん!!

がちゃ!!

こっこっこっ。。。

軽快な足音を響かせて 去って行った。








『あ。。お客様 おはようございます。

ご気分はいかがです?

よくお眠りになられましたか?

お食事の用意ができておりますので 食堂の方にいらしてくださいね。』


『おはようございます。

とても気分がすっきりして。。

お陰様で ぐっすり眠ることができました。

昨夜 ここに着いた時には。。正直とても疲れていましたのに。

このお部屋は 海に面しているからかしら?

なんだか。。波の音が子守唄みたいに思えて

波と一緒に 嫌な気分も洗い流されたみたいな。。』


『おほほほ。。♪

それは ようございましたねぇ。

このお部屋にお通ししたお客様は 不思議に皆さんそうおっしゃるんですよ。

まるで心の中のもやもやが 掃除されたみたいに さっぱりした気分になるって。』


くすっと笑って女将は続けた。


『うふふ。。

もしかしたら このせいかしら?

ほら。。うちでは それぞれのお部屋のドアの前に 魔女の絵が描かれていますでしょう?

キッチンウィッチ 料理する魔女

タロットウィッチ 占いをする魔女

ガーデンウィッチ ガーデニングをする魔女

他にも いろんな魔女がおりますけれど。。

お客様のお部屋のドアに描かれているのは お掃除する箒に跨った

【クリーンウィッチ お掃除する魔女】の絵なんですよ。

面白いことに この魔女は割烹着を着てるんで。。

魔女というより【お掃除おばちゃん】みたいですね〜。』


宿の女将の話を聞きながら。。

ワタシの脳裏には 昨夜の夢の中のおぼろげな記憶が 紙芝居のように

ぱらぱらと現れては消えていった。


そうよ。

確か。。この魔女に夢の中で遇ったわ。

黒いドレスの上に 割烹着を着ていた。

ワタシの心の汚れを お掃除してくれたのね?

散らかり放題の 行き所のない気持ちを

無理やり押し込んで 閉じ込めて。。旅に出て。。

海の景色でも見れば 少しは心の整理がつくかと思って

小さな港町に来てみたけれど。。

心に積もり積もった いろんな想いは

重くて

重くて。。抱えきれない。

疲れきって ふと目に止まった 岬の突端にあるこの古いホテルに泊まったのだけれど

一晩過ごしたら。。不思議に心の淀みが消えていた。


『ありがとう。

クリーンウィッチさん。

お掃除 大変だったでしょう?

ワタシは もう大丈夫。

でも。。もしまた散らかっちゃったら

あなたに お掃除をお願いしてもいいかしら?』

心の中で そう呟いた時

ドアに描かれた絵の魔女が にっこり笑ってウインクしたような気がした。



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