夢ねこ★不思議缶

夢ねこ★ 空想・妄想の缶詰は。。。いかが?

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【Restaurant KARMA】



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Photo: http://virtualworld.homeip.net/photo/sapporo_nightview_04.jpg


【Restaurant KARMA】


ホテルの最上階にあるレストランから見る夜景は

まるで銀河の星々を散りばめたよう。

なめらかで静かなピアノの調べ。

旨い料理と酒に酔いしれて。。。

テーブルの上のやわらかなキャンドルの炎が 一瞬きらりと揺らめいて 

夢見心地の世界から ふと現実に引き戻された男が ウェイターに合図した。


『おい。会計をしてくれ。』

『ありがとうございます。あちらで お支払いいただけますか?』


男は席を立つとレジに向かった。


『いくらだ?』

『。。。ありがとうございます。

こちらがお会計になります。

おや?これはまた たくさん召し上がられましたね~。

お客様のお手持ちのキャッシュで間に合うかどうか。。』


『なんだと?おいっ!!

俺をいったい誰だと思ってるんだ!!馬鹿にするな!!

そんなはした金。。。』


そう言って ポケットから財布を出した男は目を丸くした。

『金が入っていない!?カードも?

まさか。。嘘だろ?』


男は慌てて 身につけている服の ポケットを片っ端から探り出した。


『無い!!

何にも。。コインのひとつも無い。』


レジに並んでいた他の客の視線を感じて 男の顔は 見る見るうちに真っ赤になった。



『お客様の召し上がられたお食事は。。

なかなか一般庶民が味わうことができない 特別なお料理でございますから。。

お値段の方も これまた特別になっております。

特にお客様の大好物の天麩羅やお寿司は

それを いつどんな時に またどのように召し上がったか?。。によっても

お値段が変わってくるシステムになっております。

それに このレストランでのお支払いには 通常の【印刷された紙が化けたお金と呼ばれるもの】は ご使用になれません。

それをご承知で 私どものレストランにご来店されたと存じておりますが。。』


『そんなシステムなんか知らんぞっ!!

俺は 。。

俺は 会社の社長なんだ。

俺の会社は この国で一番大きな会社なんだぞ。

社員ばかりか この国の国民を養ってやってると言っても過言ではない。

俺が自分の好きなものを 好きな時に食べて何が悪い!!』


『お客様。。

【食べる】。。ということの意味をご存知ですか?

あなたの目の前に現れる【お料理】は

たくさんの人の手によって カタチを変えて あなたの前にやってきます。

料理の材料となった食材は その命をカタチを変えて あなたに捧げます。

【食べられたもの】は あなたの体に速やかに吸収され

栄養源となり

あなたの未来の体を創ります。

現在召し上がっていらっしゃる【もの】を

おひとつおひとつ ご自分で確かめてみるとよろしいかと思われます。

目の前にあるこの【食べ物】は 何処からきたのか?

何のために ここに在るのか?

そして。。

これを食べ続けると 未来の自分はどうなるのか?

感謝の心や思いやりの心を忘れた【食事】を続けていると

どうなるのか?

でっぷりと太った 醜い姿。

いろいろな病に冒された 哀れな姿。

お客様。。

今のご自分のお姿を 鏡でご覧になったことがございますか?』


そう言って。。レジに立っていた彼が指し示す壁には

一枚の大きな鏡があった。

そして そこに映しだされた男の姿は。。

この上なく醜く歪んだ顔と体をしていた。


『あれは誰だ? あれが俺だって!?

冗談も休み休み言いたまえ。

俺と同じ服を着ているが 俺とは似ても似つかぬ奴だぞ!!』


『失礼ながら。。あれが。。お客様ご自身です。

あなたの【真の姿】でございます。』


『馬鹿な!?

俺は あんな顔も姿もしていない!!』


そう言い放って 男は大きな鏡の前に駆け寄った。

そうして鏡にへばりつく様に 自分の姿を映しながら。。

『こんなのは俺じゃない!!

この鏡が歪んでるんだーーっ!!

こんな風に俺をからかって いったいお前に何の得があるんだーー!!』


そう叫んで ふと壁の横にある窓を見た男の顔が 恐怖で凍りついた。


『嘘だ。。嘘だ。。。

ガラスに映っているのは この俺か?

俺じゃない。俺じゃない!!

こんなのは。。俺じゃなーーいっ!!』


パニック状態になって混乱している男のもとに 静かに近寄ったレジ係が言った。


『で。。お客様。

お支払いいただけますか?

もしお代金をいただけない場合は。。

あちらでのお仕事をされていただくしか お支払い方法はございませんが。』


そういってレジ係が指差すドアには

【ディッシュウォッシャー専用】 というタグがかかっていた。


『ここでお客様が今までされた悪事。。

いや。。失礼。 食事。。

KARMAを洗い流していただきます。

このレストランにいらっしゃる普通のお客様方のお財布には ご来店される前にご自分が稼いだ 【愛】や【想い】でできたお金がいくばくか入っておりまして。。

それで皆さん精算されて行かれるのですが。。

お客様のお財布の中身は 見事に空っぽ。

いや〜。。。私もレジ係をしておりまして こんなに空っぽのお財布を持った方は久しぶりでございます。

そればかりか。。 お気がつかれませんでしたか?

一見模様の様に見えますが。。

お客様のお財布には たくさんの涙の染みが あちこちについておりました。

きっとお客様が 【美味しいお食事】をなさっていらっしゃる間に

たくさんの悔しい涙や哀しみの涙が流されたのですね?


ここは 【Restaurant KARMA】

人は

生きていく上で 多かれ少なかれ 罪を冒し他の生き物の犠牲のもとにその命を存えます。

お客様の召し上がった【お料理】は。。

それを精算できないほどの たくさんのKARMAに満ちたものでした。

さぁ。。洗い物が溜まってますよ。

KARMAという料理の汚れは ちょっとやそっとじゃ落ちませんから

綺麗になるまで どうぞしっかり洗ってくださいね。』


ギイィィィーーー・・・

にっこり笑ってレジ係が ドアを開けたその洗い場には 山のような汚れた食器が

どーーん!!。。と控えて男を待っていた。



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毎度レストランKARMAに ご来店いただき

まことにありがとうございます。

当レストランでは

お客様 お一人 お一人のご希望に沿いました

美酒美食に酔いしれた【夢のようなひと時】をご提供いたします。

尚 お支払いは

特別な精算システムを導入しておりますので

予めご確認の上

ご来店の際には くれぐれもご注意くださいますよう

お願い申し上げます。


【Restaurant KARMA店主】




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