夢ねこ★不思議缶

夢ねこ★ 空想・妄想の缶詰は。。。いかが?

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【十人十色】



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Photo:http://www2.edu.ipa.go.jp/gz2/d-etu1/d-dut1/d-gxy1/IPA-etu100.htm



【十人十色】


胸がドキドキする。

待ちに待った 旅立ちの時が来た。

ようやくボクの順番だ。

指定されたナンバーの教室の扉を開けると

床から壁 そして机や椅子までもが白一色のその部屋は たくさんの子供たちで埋まっていた。


ボクは席に着きながら キョロキョロと周りを見回した。

みんな旅立ちの時を控えて 

ボクと同じように

ソワソワ ドキドキしてる様子が窺える。


『ねぇ君。この教室に来るのは初めて?』

隣の席に座った女の子が話しかけてきた。

『うん。そうだよ。君は?』

『わたしは。。これで三度目かな~。』

『えぇーーっ!?マジーーー!?』

『うふふ♪この座標系の先の世界は。。なかなかに面白いわよ。』



『さぁ みんな準備はいいかい?』

白いローブを纏った先生が 大きな声をはりあげた。

それぞれの目の前に広げられた白い紙に

ボクたちは 思い思いにテーマを書いて。。。


『さぁ これを持ってお行き。後で宿題の提出を忘れるんじゃないよ。』

そう言って差し出された先生の手には

赤・青・黄・白・黒の五色の絵の具のセット。


『自分の乗りものは ちゃんと確認したね?

たまに乗りものを間違えてしまう子がいるけれど

いったん乗り込んだら もう取り替えはきかないから。。充分注意して乗り込むんだよ。』


そして宿題と絵の具の詰まった袋を背に

ボク達は ひとりひとり 外界に通じる大きな扉を開けて旅立った。


宿題はとてもシンプルだ。

テーマに沿って

この五色の絵の具で これから訪れる世界を自分で彩ることだ。

どんな風に彩るのか

どんな色を使うかは それぞれの自由。

言ってみれば。。

ボクたちは 旅をしながら 

選択したそれぞれの世界を 自分なりに創造するアーティストなのだ。

そうやって自由に描いて

どんな経験をしたのか 何を得たのか 

結果をレポートとして提出することだ。


ところが。。。

ここにひとつ 大きな落とし穴がある。

扉を開けて 一歩外へ飛び出した途端に

五色の絵の具は見えなくなって

ボク達は【感覚】以外は

自分で決めたテーマも その宿題のことさえも

ここに帰還するまで きれいさっぱり忘れてしまうことだった。



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『いかがですかマスター?彼らはうまく それぞれの世界を彩っていますかね?』

『ふむふむ。。まぁ見たまえ。なかなかに個性的で面白いぞ。』


『おやおや。。。ずいぶん派手に塗りまくっていますね~。

あの子のテーマは何だったかな?

確か。。。【嬉し楽しの詩(うた)】でしたっけ?

五色を基本に 色を重ねて合わせて。。。ピンクに緑に紫に。。

なんとも賑やかで楽しいね。

ただ。。色使いにまとまりが無いのが ちょっと残念だな。』


『あっちの子は ずんぶん地味だなぁ~。

えっと。。テーマは【秩序整然の詩(うた)】。

基本の五色から飛び出すことをしないで

ひたすら与えられた色を使って 世界を描いているんだね。

確かにきちんと綺麗にまとまってはいるが

う~む。。何というか。。きっちりし過ぎているというか。。。

もうちょっと遊び心があれば もっと楽しい世界になるんだが。』


『おっと~~!?あれあれ?

あれほど注意したのに。。。

乗りものを間違えて 乗り込んでしまった子がいますね。』


『ふむ。中身と外見が違って

本人は 違和感を感じて さぞ困っておるじゃろうが。。

それが却って 素晴らしい結果を生む可能性もある。』


『ん?おいおい。。。こりゃ。。なんだーー!?

あの子は何をしてるんだろう?

どんどん どんどん色を重ねて重ねて。

そんなに重ねて合わせたら

終いには気をつけないと 黒一色になってしまうぞ?

えっとテーマは。。。どれどれ?

【色と欲の詩(うた)】かぁ~。』


『ほっほっほっほ~。

これは なかなかに興味深いものじゃ。

黒の意味することを考えての色使いなのか?

それとも いきあたりばったりなのか?

それにしても。。なんとも【人間くさいテーマ】を選んだものじゃのう。

以前 黒と白のみで 見事に世界を彩った子もおったが。。

さてさて。。還ってきた時の 皆の【宿題】のレポートが楽しみじゃわい。』



十人十色

いろいろに

じゅうにんといろの 色世界


あか

あお

きいろ

しろ と くろ


かさね かさねて

いろ うまれ


ぬって ぬられて

いろ かわり


あわせ あわされ

いろ まじる


十人十色 いろいろに

住人十色に すむ世界


あのこの いろは どんな色

このこの いろは どんな色





『先生 ただいま戻りました♪』

『お還り。楽しんだかい?

さて。。さっそくだが 宿題のレポートを提出してもらおうか?

テーマに沿って世界を彩りながら 何を得てきたのか見せてもらおう。』


ボクは ドキドキしながら宿題を差し出した。

もし今回のテーマがクリアされていなかったら また次回は同じテーマで旅立つことになる。

我ながらレベル・アップのために 今回は難しいテーマと行く先を選んだはずだ。

できれば次回の旅立ちには 憧れの金と銀の絵の具を手にしたいものだ。

 

先生を見つめる ボクの期待の眼差しが強かったのか。。
 
先生は ちょっと苦笑いして


『んーー。。。

残念だが ちょっと無理をし過ぎたみたいだな?

座標軸上の選択点は なかなかに考えた結果だったと思うが。。

次の旅立ちの時までに もう一度テーマを練り直しておきたまえ。』


『えぇーーっ!?またやりなおしーーーー!!』

がーーーーっくり。


やっぱり噂は本当だったんだ。

レベル・アップするには最適なところだけど

この座標軸の向こうの世界は 一筋縄じゃいかない摩訶不思議な世界だって。


ボクは やれやれとため息をつきながら

教室の大きなスクリーンの向こうに映し出された

その星を見た。


それは。。 

宇宙(そら)に浮かぶ 唯一無二の宝石のように 

見るものを魅了する。


漆黒の宇宙(そら)の闇の中に ぽつんと

青く儚く 美しく煌きながら

それでいて その世界は はなはだ混沌としている。


眺めているうちに 

ボクは その摩訶不思議な星に 

なんだか奇妙な 懐かしさと愛しさを感じて
 
『 Au revoir~♪』と

投げキスをした。


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Photo:http://free.gatag.net/2011/03/31/010000.html





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